2010年9月23日木曜日

大往生の島

少子高齢化は思ったよりも大きい問題なはずだ。

正直に言って全く予測不可能というのが現状だと思う。

若年層の負担は増え続ける。

考えられるのは、労働人口に対する過剰なまでの負担が起きるということ。

今の年金制度をこのまま続けて行くのは難しいだろう。

そこで少しの光を差したのがこの本だ。瀬戸内海に浮かぶ高齢化日本一の島、沖屋室島では高齢者がお互いに支えあい、自立し、生き生きと生きている。今後の日本の一つのロールモデルと言っても良い光景が描かれている。

印象に残ったのは"第一次産業の強さ"という言葉だ。第一次産業の農業や漁業は定年が無い。そしてそれはそのまま自宅の食卓に乗せる事も出来る。常に食事があるという安定感は何にも勝るものだと思う。いくら金があっても、国家の状況によっては、モノが買えないことも歴史には何度もある。好きな冒険家の関野吉晴さんが、幸福度世界一といわれるブータンを旅するときに言っていた言葉も”畑を持っているっていうのは強いですね”というようなことをいっていたのを思い出す。

この、生涯働くという事と、自然からの恩恵を受けられる状況というのはとても豊かなんだなと思う。

若い人達も、どんどんこういう過疎の地域に行ってご老人達の手伝いをすれば喜ばれるんじゃないかなと思う。生き方を少し考えさせられました。


大往生の島