2010年7月8日木曜日

フラニー

フラニーとゾーイー (新潮文庫)

やっぱ横浜はまだ都会の一部だと思う。

ってのは心の持ち方がやっぱり環境によってけっこう変わる気がする。

ブラジルの地方にいたときは思考がものすごくシンプルだった。

あれは気持ちよかったなあ。

だけど、この辺にいるとどっかの皮肉屋がムクムクと起きだす。

サリンジャーの作品への強烈な共感は結構ここから来てる気がする。

まあなんつうのかな、結局のところ、器がちっさくなってくっていうか。

でも結構好きなんですよね。

江戸っ子の文化はユーモアと皮肉だ。
ニューヨーカーのそれもそうだ。
パリっ子もそうだろう。

街っ子には街っ子のスタイルがある。

サリンジャーの短編小説"フラニー"からフラニーの言葉。

「そして、いちばんいけないことはね、かりにボヘミアンの真似をするとかなんとか、とんでもないことをするとするでしょ、そうすると、それがまた、種類が違うというだけで、型にはまってる点ではみんなとまったく同じことになってしまうのよ」

街っ子であるにはこの批判精神がなくては、と思う。

それがハイセンスで独特の文化を育てていく。